导演:吉川忠夫
おどろおどろしい政治と死のはざまにあった漢代知識人の魂気遊散の幻想,恍惚たる道の 世界の逍遙のイメージを解く<魂気の如きはゆかざるなし>, 幽冥界の神靈と感通の記錄を残して仙界へ旅立った周子良の夢の世界の分析を通して茅山派道教の成立ちを考えた<夢の記錄>,仏は外にあらず,これを心に求む,と主張する姚崇の遺令を綿密に考察して,士大夫の仏教信仰の態度を,政治と社会の動態のなかに浮彫りにした<仏は心に在り>など,中国の古代人の夢と死にかかわる想念を社会という現実の舞台と緊密に連環あせながら,その精神のありようをみずみずしい筆致で描いて,従来の儒教、道教、仏教の煩瑣な研究からはうかがいえない社会精神史へ我々を誘う。